レアル建て投信、11年の振り返りと12年の見通し

2012-02-02

 2011年のレアル建て投信(通貨選択型ファンドのブラジルレアルコースとブラジルレアル建て債券に投資するファンド、全体に占める割合が低いブラジル株式ファンドを除く)の資金動向を振り返ると、過去3年間で最も純流入額が少ない結果となった。また、レアル建て投信の純資産額は10年末の6兆2,000億円から11年末には6兆円まで減少。欧州債務問題が深刻化して投資家のリスク許容度が低下するなか、11年はこれまで拡大を続けてきたレアル建て投信が縮小した年となった。

レアル建て投信の純流出入、9月以降に資金流出基調に

 もっとも、11年を通じてみるとレアル建て投信は8月までは東日本大震災の翌月の4月を除いて毎月純流入を続けていた。特に5月から7月にかけては毎月3,000億円超の純流入となったほか、設定額も毎月5,000億円とレアル建て投信への資金流入は非常に大きなものだった。純資産額は7月末に計7兆6,000億円まで拡大。通貨選択型ファンドのレアルコースが2009年1月に初めて設定されて以降、最大の規模となった。

 しかし、8月は純流入額が1,600億円に鈍化。9月には4月以来の純流出となると、10月は純流入となったもののわずか100億円、11月と12月はいずれも純流出となり、9月以降はレアル建て投信からの流出基調が鮮明化した。

(図表1)ブラジルレアル建て投信の純流出入(年次)

(図表1)ブラジルレアル建て投信の純流出入(年次)

(出所)モーニングスター作成
期間は08年12月末から11年12月末

転機はブラジル中銀の利下げ

 11年の前半はQE2(米・量的金融緩和第2弾)による過剰流動性や米国景気の回復期待の高まりに伴う投資家のリスク許容度の改善でリスク資産買いが強まった。こうしたなか、レアル建て投信の純資産額は7月にかけて過去3年で最大の規模となった。しかし、8月31日にブラジル中銀が0.5%の利下げを実施すると、翌月の9月以降からレアル建て投信からの資金流出が始まった。その後もブラジル中銀が連続して利下げを行うなか、日本ではレアル建て投信売りが止まらない状況が続いた。

2012年もレアル建て投信からの資金流出は継続か?

 今後のレアル建て投信は資金流出が継続する可能性が高いと考えられる。日本の投信では、資金が流入していた資産クラスの売りがいったん強まると、その資産クラスのパフォーマンスとは関係なく資金が流出する傾向が強い。12年も1月は欧州債務懸念の緩和や米主要株価指数の上昇で投資家のリスク許容度が改善したものの、レアル建て投信からは資金流出が続いた。

 レアル建て投信からの資金流出が続いた場合に警戒されるのがレアル安・円高。欧州債務懸念の深刻化などで投資家のリスク回避が再び強まった場合、レアル安・円高の要因となる。また、レアル安の進行がさらなる資金流出を招くという悪循環も考えられる。いまだに6兆円を超える純資産額を誇るレアル建て投信。その資金流出入は12年も目が離せない。

(図表2)ブラジルレアル建て投信の純資産額の推移

(図表2)ブラジルレアル建て投信の純資産額の推移

(出所)モーニングスター作成
期間は11年1月末から11年12月末

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