コモディティ市場の値動きを捉える投資信託はどれ?

2012-03-29

2012年に入り、コモディティ市場は上昇基調で推移

 原油や金などのいわゆるコモディティ(商品取引所で取引される商品)は、足元で堅調な推移が続いています。2012年に入り、ギリシャ問題の後退や欧米や新興国の金融緩和姿勢は、投資家のリスク回避姿勢を後退させ、コモディティへの資金流入が増加しました。また、イラン情勢の緊迫化は今後の原油供給への懸念から原油価格の上昇に繋がったほか、逃避先としての金の上昇に繋がりました。一方、中長期的にみても、コモディティ市場は堅調な推移を続けています(図表1参照)。この10年間、新興国経済の台頭が著しかったことに加え、エネルギー・鉱物や農作物などのコモディティは有限の資源であるとの見方が強まったことが上昇に繋がりました。加えて、コモディティ投資が金融取引としての位置づけを確立し、取引が活発化していることも上昇要因となっています。

図表1:原油、金の価格推移(過去10年間)

図表1:原油、金の価格推移(過去10年間)

(出所)モーニングスター作成
2012年2月末までの過去10年間

今後もコモディティ価格が上昇する可能性が高い理由

 コモディティはこれまで上昇が続いていましたが、今後も上昇を続けるのでしょうか?上昇を続ける要因には前述したように新興国が大きく寄与するものと考えられます。新興国の経済発展に伴い、今後必要となるエネルギーや資源などのコモディティはますます需要が高まると考えられています。また、新興国では金に対する消費需要が高く、外貨準備高における金の保有を増やす傾向にもあます。さらに、世界の人口はアジア、アフリカを中心とした新興国の人口急増が予想されています(図表2参照)。人口増に伴うエネルギーや資源の消費増加はますます拡大するとみられており、今後のコモディティ価格はこれまで以上に高い注目を集めることになるでしょう。

図表2:世界の人口予想(2050年までの推移)

図表2:世界の人口予想(2050年までの推移)

(出所)「World Population Prospects, the 2010 Revision」よりモーニングスター作成

コモディティへの投資を増やす海外基金も

 こうした状況を背景に、コモディティへの投資は増加傾向にあります。海外の有名な大学基金や年金基金はコモディティに投資を行っているケースが多く、ハーバード大学基金の直近の政策アセットアロケーションをみると、コモディティを14%も組み入れており、その配分は年々高まっています。また、世界で最も巨大な年金基金の一つであるカルパース(カリフォルニア州職員の退職年金基金)のアセットアロケーションをみると、不動産を含む実物資産に10%の投資を行っており、そのうち2%以内でコモディティに投資を行っています。

図表3:海外基金のアセットアロケーションに占めるコモディティの割合

図表3:海外基金のアセットアロケーションに占めるコモディティの割合

(出所)各種資料によりモーニングスター作成
※ハーバード大学基金は2011年6月末時点で約360億ドルの運用資産、
カルパースは2012年3月22日時点で約2,365億ドルの運用資産を有する。

目的に応じて様々な投資が可能なコモディティファンド

 最近では、コモディティへの投資はファンドを通じて容易に行うことが出来ます。コモディティに投資をする国内の追加型公募投信をみると、コモディティ全体の値動きを表すファンドだけでなく、原油、金などのロング・ショート型ファンドなどもあります。加えて、金、銀、プラチナなどの国内ETFや海外ETFも増加傾向にあるほか、さらに広義の意味では資源関連ファンドも増加傾向にあり、短期、中長期の投資としてコモディティ投資の幅は広がりつつあります。また、ショート型ファンド、ETF(売り)を利用することで、下落局面でプラスの収益を獲得することも可能となります。

 コモディティ投資は中長期投資をしたい方だけでなく、短期投資を望む方にも適しています。一例として、図表4を見ますと、足元では上昇率の差こそあれ、各コモディティファンドは上昇基調で推移しています。ただ、もし今後コモディティ市場全体での下落局面が近いと予想されるのであれば、金や原油のショート型ファンドの購入、もしくはETFの売りによって短期的に収益獲得が狙えます。コモディティファンドには、ロング・ショート、ETFがあり、短期の柔軟な投資を可能とする商品が揃っています。

図表4:代表的なコモディティファンドの年初来からの推移
(2011年12月30日=100)

図表4:代表的なコモディティファンドの年初来からの推移(2011年12月30日=100)

(出所)モーニングスター作成
2012年3月26日時点まで

注目のファンド
コモディティファンドの主な分類と代表的なファンド一覧

分類 ファンド名 委託
会社名
純資産額
(百万円)
トータルリターン
年初来 2011年
一般的なコモディティファンド ダイワ/“RICI(R)”コモディティ・ファンド 大和 2,318 12.84% -12.32%
三菱UFJ コモディティファンド 三菱UFJ 2,167 12.40% -10.09%
資源関連ファンド
(※資源関連株、金鉱株に投資するファンド)
資源ファンド(株式と通貨)ブラジルレアル 日興 91,883 16.05% -24.53%
ブラックロック・ゴールド・ファンド ブラックロック 17,929 4.86% -26.96%
原油のロング・ショート型 MHAM 原油先物ファンド(ロング型) みずほ 2,613 5.98% -0.66%
MHAM 原油先物ファンド(ショート型) みずほ 1,986 -6.86% -14.38%
金のロング・ショート型 MHAM 金先物ファンド(ロング型) みずほ 8,402 7.23% 6.30%
MHAM 金先物ファンド(ショート型) みずほ 178 -7.92% -13.30%
原油、金のETF (NEXT FUNDS)NOMURA原油インデックス上場 野村 578 12.69% -5.62%
金価格連動型上場投資信託 野村 12,825 15.05% 0.62%

(出所)モーニングスター作成
2012年2月末時点
年初来リターンは3月26日時点

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