根強い人気の毎月分配型ファンド、見極めのポイントはここだ!

2012-04-19

依然人気の毎月分配型ファンド、純資産額規模では中心的存在に

 毎月分配型ファンドに対する投資家人気は根強いものがあります。国内の投資家がファンドの購入を考える際、分配金の多寡が決め手となる傾向がみられます。分配金の支払い頻度が高い毎月分配型ファンドは、投資家から見てとても魅力的に映る商品です。

 毎月分配型で代表的なファンドとしては、国内追加型の株式投信で最大の純資産額を誇る「グローバル・ソブリン・オープン(毎月決算型)」などが挙げられます。また、定期的な賃貸収入が収益のベースとなる海外REIT(不動産投資信託)に投資するファンドなども、毎月分配というスタイルに馴染むようです。人気の通貨選択型ファンドも8割弱の本数が毎月分配型ファンドとなっています(2012年3月末時点)。

 このように、分配金の支払いに力を入れる多様なファンドの設定が相次ぎ、投資家からも人気を博したことで、毎月分配型ファンドの規模は拡大傾向にあります。毎月分配型ファンドが国内追加型の株式投信(確定拠出型年金、ファンドラップ専用ファンド、ETFを除く)全体に占める割合は、2012年3月末時点で本数ベースでは35.02%にとどまりますが、純資産額ベースでは75.43%に達します。ファンド選びで分配金を重視するのであれば、毎月分配型ファンドの中から自分に合ったものを探すというのも、ひとつの方法といえるでしょう。

図表1:毎月分配型ファンドの純資産額の推移

図表1:毎月分配型ファンドの純資産額の推移

出所:モーニングスター作成
国内追加型株式投信の全ファンドとの比較、2012年3月末時点で設定後1年未満のファンドを除く。

分配金利回りの見方に要注意、毎月分配型ファンドに規制の流れも

 ファンドの分配金の水準を調べる際には、分配金利回りが有効な指標となります。分配金利回りとは、過去1年間の分配金の合計額を直近の基準価額で割って算出するものです。基準価額が一定であれば、分配金の合計額の高いファンドが分配金利回りも高くなります。毎月分配型ファンド全体と国内追加型の株式投信全体で分配金利回りの平均を比較した場合、毎月分配型ファンドの方が上回って推移していることが分かります(図表2参照)。なお、分配金額が一定の場合、基準価額が下がることでも分配金利回りが高くなる点には留意する必要があります。

図表2:毎月分配型ファンドの分配金利回り平均の推移

図表2:毎月分配型ファンドの分配金利回り平均の推移

出所:モーニングスター作成

 以上のように、分配金などの面から注目される毎月分配型ファンドですが、ここにきて販売を規制する動きも出ています。分配金利回りが高いファンドでも、よく見ると分配金がファンド運用による売却益や利息収入に基づくものではなく、元本を取り崩して支払われているケースが散見され、問題となっているためです。

 参考までに、2012年3月末基準での分配金利回りと過去1年間のトータルリターンについて、ファンドのカテゴリーごとの平均で比較してみました(図表3参照)。海外の高利回り債券や国際REITに投資するファンドのカテゴリーなどで分配金利回りの高さが目立ちますが、トータルリターンはこの水準を10%近くも下回っています。

図表3:毎月分配型ファンドのカテゴリー別の分配金利回り平均ランキング

図表3:毎月分配型ファンドのカテゴリー別の分配金利回り平均ランキング

出所:モーニングスター作成、2012年3月末基準

 金融庁ではこうした事態を問題視しており、投資家保護の観点から、毎月分配型ファンドの分配金の原資を運用益のみに限定することや、通貨選択型ファンドの販売を規制するといった方針が報じられました。分配金を重視してファンドを選ぶ場合は、単に分配金利回りだけに着目するのではなく、ファンドの運用状況や分配余力についても考慮する必要があります。

運用成績と分配金利回りのバランスを勘案しファンドを選別

 運用成績と分配金利回りのバランスという観点から投資対象ファンドを探ってみましょう。毎月分配型ファンドのうち、2012年3月末基準で過去1年間のトータルリターンが分配金利回りを上回ったファンドは、毎月分配型ファンド全体の中で約15%にとどまりました。このうち、トータルリターンと分配金利回りに1%以上の差があり、かつ、分配金利回りが高いものの中からいくつかピックアップしてみました(図表4参照)。トータルリターンの変動幅が大きいとされる通貨選択型ファンドや、特定国の資産のみを投資対象とするファンドなどは除いてあります。

 抽出したファンドの中では、「BAM ワールド・ボンド&カレンシー・ファンド」が注目されます。同ファンドは、世界の投資適格債券を主要投資対象としていますが、為替変動リスクの回避と投資収益の確保を目的に、債券とは別に複数通貨に対しても投資しています。この運用スタイルから、同ファンドの標準偏差(リターンのばらつきを表す指標で、大きいほどリスクが高い)は2012年3月末までの過去1年間で6.39%、過去3年間で5.58%と、極めて低い水準に抑えられています。また、暦年のトータルリターンと分配金利回りの差も他ファンドに比べて、かい離の小ささが目立ちます(図表5参照)。安定的な分配金の支払いを期待するという点では、うってつけといえるでしょう。

図表4:運用成績と分配金利回りの差に着目し抽出したファンドの一例

図表4:運用成績と分配金利回りの差に着目し抽出したファンドの一例

出所:モーニングスター作成、2012年3月末基準

図表5:図表4の各ファンドの暦年リターンと分配金利回り差の推移

図表5:図表4の各ファンドの暦年リターンと分配金利回り差の推移

出所:モーニングスター作成

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