新社会人へ著名FPがアドバイス、「資産運用成功の秘訣と有望ファンド」

2012-05-01

 待ちに待ったゴールデンウィーク、遊びに出かけるのもよいけれど、ゆっくり腰を落ち着けてライフプランについて考えたい人も多いのでは?特に初任給をもらったばかりの新社会人にとって、この大型連休は「お金」について考えるよいタイミングです。「投資なんてまだ早い」と言っているそこのあなた!資産運用は「小額でもよいから早く始めること」とFP(ファイナンシャル・プランナー)の花輪陽子氏はアドバイスします。

 そこで新社会人が資産運用で成功するための秘訣について、著名FP5名に緊急アンケートを実施。「社会人1年生が資産運用を始めるうえで心掛けるべきことは?」「社会人1年生にお勧めのファンドとその理由」という2つの質問に答えていただきました。フレッシュマンはもちろんのこと、投資をこれから始めようと考えている20−30代の資産形成層や、初心者にも分かりやすい投資ツールとして注目を浴びているインデックスファンドに興味がある方も必見です。

 最初の質問についてFPの意見を大まかに分類した「フレッシュマンへの7つのアドバイス」は以下のようになりました。

フレッシュマンへの7つのアドバイス
・まず生活資金を確保
・お金について理解を深める
・支出をしっかり管理
・投資は「習うより慣れろ」
・継続は力なり
・分からないものには投資しない
・自己投資も忘れずに

勉強ばかりでなく身銭を切って始める、自動積立がお勧め

竹川美奈子氏

LIFE MAP,LLC代表
ファイナンシャル・ジャーナリスト
竹川美奈子氏

 さっそく、資産運用を始めるうえで心掛けるべき点についてFPのアドバイスに耳を傾けてみたいと思います。最初に「資産運用を本格的に始める前に、まず生活費の4カ月分の貯蓄を確保すること」と注意を促したのがファイナンシャルリサーチ代表の深野康彦氏。投資に回す余裕資金が乏しい新社会人は特に気を付けるべき点と言えるでしょう。また、LIFE MAP,LLC代表でファイナンシャル・ジャーナリストの竹川美奈子氏は、投資を始める前に税金や社会保険、公的な保障や企業内保障など、「自分のお金周りのことを理解する」のが大切と説きます。竹川氏は、手軽に借金をしたりローンを組んだりせず、支出の予算を立てるよう心掛けたいとも指摘。そもそもお金の出入りに無頓着では投資も上達しないと言えそうです。

 いざ投資を始めようとはするものの、何を買えば分からず挫折する人が多いのも事実。しかし、深野氏は「全てを覚えてから運用を始めるのではなく、ある程度勉強したら身銭を切って運用を始めよう。実践に勝るものなし」とビギナーの背中を押します。そしてスタートした後は、継続することが重要。エフピーウーマン代表取締役の大竹のり子氏は、「資産運用は何十年と続けてこそ意味があり、多くの人にとって無理のない金額で毎月一定額を自動積立するのがよい」としています。

「投機」ではなく「投資」を、20代は「人的資産」の価値高めるとき

カン・チュンド氏

晋陽FPオフィス代表
カン・チュンド氏

 大竹氏がもう1つポイントとして挙げたのが、「仕組みを理解できないものは避けること」。投資初心者は高いリターンが得られそうな複雑な仕組みのファンドなどに誘惑されそうですが、「何か予想外の展開になったときに判断軸を持てることが大切」(同氏)であり、背伸びをせずに自分の分かる範囲で投資することが重要のようです。竹川氏は、FX(外国為替証拠金取引)などに顕著な短期的な値動きに賭ける「投機」ではなく、長期的に価格の上昇が期待できるものを保有する「投資」に重点を置くべきだと述べています。

 今回のアンケートでは、「自分への投資」の重要性を強調する意見も多く寄せられました。花輪氏は、「仕事で必要な道具やスキル、交際費に限定し、自己投資を優先すべき」と回答。晋陽FPオフィス代表のカン・チュンド氏も、「自分という資産の『潜在可能性』を伸ばせるのは、おそらく20代から30代前半までです。20代に『人的資産』を大きくできれば、めぐりめぐって仕事からの『収入』が増えて、それにより金融資産へ投資できる『資金』が増えるということにつながります」と答えました。

手軽に国際分散投資、低コストで積み立て

 次に、実際にファンド選びをする際のヒントをアンケート結果から探っていきましょう。社会人1年生にお勧めの投信を聞いた結果は以下の通りです。

社会人1年生にお勧めのファンド

 竹川氏が投資をする際の留意点として挙げたのが、「日本だけでなく、世界に丸ごと投資すること」。いわゆる分散投資の重要性です。特定の国に偏るのではなく、世界各国の資産をバランスよく組み入れることでリスクを抑えながらリターンを向上させることができます。最近では手軽に国際分散投資を可能にするツールが充実してきました。その代表格がインデックスファンド。これは株価指数に連動するファンドで、日本に限らず、米国などの先進国、経済成長が著しい新興国に幅広く投資することが可能です。

 竹川氏によると、日本株はTOPIX、日本除く先進国株式はMSCIコクサイ、新興国株式はMSCIエマージングという指数に連動するインデックスファンドが選択肢になるとのこと。同氏はインデックスファンドのコストの安さにも注目。インデックス型はノーロードといって証券会社で購入する際の手数料がゼロのファンドが多い点が魅力です。さらに信託報酬という保有期間中に継続的に差し引かれる費用が低く抑えられているというメリットも。例えば信託報酬が年1%低いだけでも10年間では10%のリターンの差になりますので、「コストを制するものが投資を制する」といっても過言ではないでしょう。

花輪陽子氏

FP(ファイナンシャル・プランナー)
花輪陽子氏

 近年各社が競って投入するインデックスファンドですが、何を基準に選べばよいのか迷うところ。花輪氏は三菱UFJ投信の「eMAXIS」というインデックスファンドシリーズに注目しています。評価する理由は、ファンドの規模、手数料、ラインナップを見た場合、総合的にバランスが取れているから。例えば品揃えについては、「eMAXISには全世界株式などもありラインナップがよい」と説明します。これは1本のファンドで日本除く先進国と新興国の株式にいっぺんに投資できる便利さがウリです。ネット証券などではインデックスファンドを小額から積立投資できるため、日本株はeMAXIS TOPIX、外国株はeMAXIS全世界株式に投資し、それぞれ毎月1000円ずつ計2000円から始めてはどうかと花輪氏はアドバイス。「新社会人を含め若い方はとにかくお金がなく、リスクを取りたがりません。金融資産の比率で見ても預貯金の割合が70代より多いです。こうした理由から少ない投資額から始められた方がよいと思います」と述べました。

バランス型で手間をかけず、リバランスの必要なし

大竹のり子氏

エフピーウーマン代表取締役
大竹のり子氏

 株式だけでなく債券など他の資産への分散投資によりリスクを抑え、パフォーマンスの向上を図ることも検討に値します。様々な資産を組み入れたポートフォリオを構築するには手間と時間、コストがかかるのがネックですが、こうした悩みをすべて解決してくれるのが「バランス型」と呼ばれるファンド。1つのファンドで国内外の株式と債券など各種資産をカバーできる便利な商品で、コモディティ(商品)やREIT(不動産投資信託)まで網羅したものもあります。

 大竹氏はお勧めファンドの質問に対して、「少額で積立をするのであれば、その中でしっかり分散が図れるバランス型ファンドがお勧めです。自分でリバランスをしなくてよいのも仕事に多くの時間を割くべき社会人1年生にとって魅力と言えます」と答えました。リバランスとは資産価格の変動により運用開始時からポートフォリオの組み入れ比率が変わってしまった場合に、一部資産を売却したり買い増すことで調整する作業ですが、バランス型ファンドではこうした面倒な作業を自分で行う必要がないという利点があります。

 若いうちは人的資産への投資を優先すべきとしたカン氏は、「金融資産にお金を回す余裕がもしあれば、インデックス型のバランスファンドを積立で購入することをお勧めします」と回答。具体的には、日本含む先進国、新興国の株式、債券に分散投資する「世界経済インデックスファンド」(三井住友トラスト・アセットマネジメント)、国内外の株式と債券に加え、REITを対象にした「eMAXIS バランス(8資産均等型)」(三菱UFJ投信)を候補として挙げています。

まずは国内で徐々に海外、勉強でMMFに投資も

深野康彦氏

ファイナンシャルリサーチ代表
深野康彦氏

 インデックスファンドの普及でより身近になった海外投資ですが、いきなり外国の資産に資金を投じることに抵抗を感じる方も多いかもしれません。特に余裕資金が少ない社会人1年生は、比較的リスクが高い海外株式ファンドへの投資に慎重になりそうです。深野氏はこうした点を考慮し、まずは預貯金の延長として位置付けられる国内債券型のファンドから始めてはどうかと提案。具体的には国内債券の代表的な指数であるNOMURA−BPI総合に連動するファンドが候補になるとしました。国内債券からスタートし、「金融資産がある程度できたならば、次は国内株式を投資対象とする投資信託がよいだろう。その後、外国株式や外国債券などを投資対象にするタイプへと拡げるのが好ましい」と指摘します。

 また、竹川氏は、安全性の高い公社債などに投資するローリスク・ローリターンの商品性で知られるMMF(マネー・マネージメント・ファンド)に言及。「勉強という意味では、円建てのMMF、個人向け国債、米ドル、ユーロ、豪ドル建てMMFなどを少額だけ購入し、金利や為替の動きに慣れるのも手」だといい、こうした商品を通じて少しずつ投資の世界をのぞいてみるのも一考だとしています。

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