「新興国ファンド・レポートツアー第四弾」アフリカ大陸一の経済国「南アフリカ」

2012-08-17

相対的な地政学リスクが小さい経済国「南アフリカ」

 アフリカ地域は、原油や金鉱など資源が豊富なことや、開発余地が多く経済成長が期待されることから2007年から2008年にかけて同地域の関連ファンドが相次いで設定されましたが、近年はエジプトなど北部アフリカと中東で起こった「アラブの春」と呼ばれる大規模反政府デモで地政学リスクが強く意識されたこともあり、新設ファンドの設定も減っています。一方、アパルトヘイト(人種隔離)政策の撤廃以降、民主政権が軌道に乗り、地政学リスクが後退した「南アフリカ共和国」(以下、南アフリカ)の投資魅力は、アフリカ関連ファンドの中で存在感を増しています。

 南アフリカはアフリカ一番の経済規模を誇り、プラチナ、マンガン、クロム、金、鉄鉱石など鉱物資源が豊富な有数の資源国です。また、外貨準備高もアフリカ大陸の国の中で最も高く、輸出入のさかんな貿易立国としても知られています。

図表1:アフリカの国別名目GDP(国内総生産)シェア

図表1:アフリカの国別名目GDP(国内総生産)シェア

成長率鈍化も株式市場は堅調

 南アフリカは2012年7月に5.50%から5.00%への利下げを行いました。2010年11月から1年8カ月にわたり政策金利は5.50%でしたが、経済成長が堅調で中央銀行が目標設定するインフレ率の範囲内(3.0%〜6.0%)だったことから据え置かれていました。しかし、足元では欧州景気の低迷から欧州向け輸出が伸び悩む可能性が高まったことや、実質GDP成長率の四半期の伸び率が鈍化傾向となっているなど、インフレリスクよりも国内経済の下ぶれリスクが強まったため、市場の想定よりも前倒しで利下げが実施されました。ただ、成長率が鈍化しているとはいえ、国内経済が底堅さを維持していることから株式市場も相対的に堅調です(図表2参照)。他の新興国、資源国では2011年以降、段階的に利下げを行っていますが、景気刺激を狙う半面で通貨安が進むことから株価が一進一退で推移しています。

 一方、市場が利下げをある程度織り込んでいたことなどから、通貨ランドに対する今後の影響は限定的だとする見方が強まっています。

図表2:中東・アフリカ主要株価指数の推移(週足)

図表2:中東・アフリカ主要株価指数の推移(週足)

10月には「シティグループ世界国債インデックス」に南ア国債組入れの予定

 2012年10月には「シティグループ世界国債インデックス」に南アフリカ国債の組入れが予定されています。(1)500億ドル以上の時価総額を有する、(2)自国通貨建ての長期格付けがA−格(S&P)以上、(3)市場参入障壁がない――という審査基準において、南アフリカ国債の適格性が認められたとされています。これにより、債券市場に海外からの資金が安定的に流入してくることが見込まれます。  ランドは高金利通貨ファンドの一画に組入れられており、こうしたファンドへの投資も有望視できるでしょう。

図表3:SBI証券で取り扱いのある南アフリカ関連ファンド一覧

ファンド名 運用会社 トータルリターン
(1カ月間)
純資産額
(百万円)
フィデリティ・EMEA・ファンド(3カ月) フィデリティ投信 7.82% 3,284
MHAM 南アフリカ・ソブリンファンド(毎月) みずほ投信 5.42% 307
イーストS 南アフリカ債券ファンド(毎月) イーストスプリング 5.31% 309
国際のシングル・カントリー ランド債(毎月) 国際投信 3.74% 425
高金利国際機関債ファンド(毎月決算型) 明治安田アセット 2.28% 10,882
パン・アフリカ株式ファンド 損保ジャパン日本興亜 1.56% 3,240

モーニングスター作成
2012年7月末時点

この情報は投資判断の参考としての情報提供を目的としたものであり、投資勧誘を目的としてはいません。又、当社が信頼できると判断したデータにより作成しましたが、その正確性、安全性等について保証するものではありません。これらの情報によって生じたいかなる損害についても、本情報提供者は一切の責任を負いません。 本画面、資料に掲載されている事項は、証券投資一般に関する情報の提供を目的としたものであり、投資勧誘を目的としたものではありません。 投資にあたっての意思決定・最終判断はお客様ご自身の裁量でお願いいたします。著作権等の知的所有権その他一切の権利はイー・アドバイザー株式会社に帰属し、許可なく複製、転載、引用することを禁じます。