人気化した投資テーマ「コモディティ」、有望な食糧・農業関連ファンドは?

2012-12-10

人気化した投資テーマ「コモディティ(商品)」だが、足元では指数間のギャップが広がる

 個人投資家でも分散投資の一環として、株式や債券などの伝統資産に加えてコモディティ(商品)に投資するケースは増えてきているようです。特に金はインフレヘッジの手段の一つとして、金現物への投資から投資信託やETF(上場投資信託)を通じた投資まで投資手段は拡大してきています。また、DJ−UBSコモディティ・インデックスやS&P GSCIコモディティ・インデックスなどに代表される商品市場全体の値動きを示す指数(インデックス)を通じてコモディティ(商品)に投資することも可能となってきています。一方、足元の原油、金、穀物といった各商品の市況をみると、商品ごとの値動きは大きく異なっています。例えば、図1をみると、DJ−UBSコモディティ・インデックスの商品の種類ごとにまとめた指数(サブ・インデックス)の中期での推移では、貴金属が堅調に推移している一方で、エネルギーは下落しています。また、より短期間での動向では、農産物の上昇が目立っています。

図1:中期(過去3年間)の商品の種類別の指数の推移

図1:中期(過去3年間)の商品の種類別の指数の推移

 農産物の国際商品市況の動向では、年央にかけて穀物価格が大きく上昇しました。大規模な穀物生産地帯である北米中西部が記録的な高温乾燥気候に見舞われたことで農産物の減産への警戒感が強まり、ロシアやウクライナの穀倉地帯でも小麦生産量への懸念が持ち上がり、穀物価格を押し上げました。足元では、やや小麦の価格は落ち着きを見せていますが、ロシアやウクライナでは輸出規制観測も出るなど、今後も上昇する可能性が浮上しています。新興国の経済的な台頭による食糧需要の増大のほか、食肉文化の普及による畜産向け飼料としての需要増、バイオエタノールなど代替燃料向け用途の広がりなど、農産物は長期的にも注目できる投資テーマの一つです。

食糧、農業関連ファンドは少ないものの、高評価を得るファンドも

 食糧、農業関連ファンドはコモディティの農業関連の指数に投資するファンド、農業関連の株式に投資するファンドに大きく分けることが出来ます。前者は、商品指数に連動する形式なのでよりコモディティ(商品)市場全体の動向の影響を受けやすいこと、後者は株式に投資することから株式市場の需給などの影響を受けやすいこと、投資対象に大きな幅があることにも注意が必要です。また、資源全体を投資対象とする中で食糧や農産物関連にも投資するファンドの本数は一定数ありますが、食糧や農産物関連に集中して投資するファンドの比率は少なくなっています。図2は主な食糧、農業関連のファンドとなります。一部のファンドについては、モーニングスター・レーティングで最高評価(5つ星)を得ているファンドもあります(2012年10月末時点)。

図2:主な食糧、農業関連ファンド

ファンド名 MS
カテゴリー
実質的
な信託
報酬等
(税込み)
純資産額(百万円) トータル
リターン
1年
トータル
リターン
3年
標準
偏差
1年
標準
偏差
3年
MS
レーティング
三井住友・世界食糧関連ビジネスファンド 国際株式・グローバル・除く日本(為替ヘッジなし) 1.58% 711 12.50% 7.40% 16.98% 18.39% ★★★★★
DWS・グローバル・アグリビジネス株式ファンド 国際株式・グローバル・含む日本(為替ヘッジなし) 1.89% 4,158 6.18% 2.75% 22.47% 22.40% ★★★★
三菱UFJ グローバル農業関連株式ファンド 国際株式・グローバル・含む日本(為替ヘッジなし) 1.89% 4,045 -0.27% 1.72% 23.83% 25.75% ★★★
コモディティ・セレクション(食糧) コモディティ 1.33% 1,191 10.44% 5.14% 26.69% 22.68% ★★★★
グローバル・アンブレラUBS フード(豪ドル連動型) コモディティ 1.16% 5,432 6.36% 13.03% 31.36% 30.34% ★★★★

2012年10月末時点
トータルリターン、標準偏差は年率換算
出所:モーニングスター

中期安定的なトータルリターンの「三井住友・世界食糧関連ビジネスファンド」

 2012年10月末時点でモーニングスター・レーティングが最高位の5つ星である「三井住友・世界食糧関連ビジネスファンド」は、日本を除く世界の食糧関連(農産、水産、農業用機器製造など)企業の株式に投資するファンドです。2012年10月末時点の組入上位国をみると、アメリカ46.9%、ドイツ9.5%、オーストラリア8.2%など、先進国がほとんどです。個別銘柄の上位では、同月末時点でバイエル(ドイツ)、モンサント(アメリカ)、ディーア(アメリカ)などです。バイエルは医薬品などのヘルスケアのイメージがありますが、農薬などを取り扱っています。モンサントは農業関連製品、種子などのバイオテクノロジー関連で非常に知名度の高い企業です。ディーアは農業機械、建設機械などを取り扱います。

 当ファンドは、2006年11月に運用を開始しており、中期の運用実績を有していますが、2007年以降の暦年のトータルリターンをみますと、2009年の大幅反発局面を除いては一般的な国際株式ファンド(モーニングスター・カテゴリー「国際株式・グローバル・除く日本(為替ヘッジなし)」、モーニングスター・インデックスを使用)を上回っています。年初来のトータルリターンは16.98%と、一般的な国際株式ファンドの平均を4.70%上回っているなど(2012年10月末時点)、中期で安定的に一般的な国際株式ファンドの平均を上回っています。また、2009年以降は暦年のリスク(標準偏差)は一般的な国際株式ファンドの中でもより低くなっています。

図3:「三井住友・世界食糧関連ビジネスファンド」の暦年のトータルリターン

図3:「三井住友・世界食糧関連ビジネスファンド」の暦年のトータルリターン

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