ブロガー水瀬ケンイチの等身大投資コラム―本屋で投資信託本を買う前に、無料で手に入る良質な本がある

2013-09-06

 最近話題のNISA(少額投資非課税制度)や確定拠出年金(日本版401k)では、投資信託が主流になるらしいと聞いて、投資信託を始めたいのだけれど、投資信託が何なのかすらわからない……誰でも最初はそういう状態ではないでしょうか。

 仕事でも遊びでも、未知の分野に足を踏み入れる時には、関連本などを読んで概要をつかみ、その後に実践するのが王道です。この方法は、仕事でも遊びでもなかなか効果をあげてくれます。もちろん、投資信託についても、まずは解説本を買って読むのがよいと思います。

 でも、投資本は1,500円とか2,500円とか、けっこう高いですよね(自分が本を出しておいて言うのもなんですが)。しかも、投資本は良質なものとトンデモ本が同じような顔をして並んでいるので、1冊しか読まないいわゆる「一本釣り」だと少々危険です。複数の本を読んで比較検討すると理解が深まります。すると、余計にお金がかかります。

 今日は、過去100冊以上の投資本を読みあさってきた自分が見ても、「これは良質だ」と思える情報が「無料」で手に入ることをお伝えしたいと思います。

 それが、「わかりやすい投資信託ガイド」(投資信託協会著)です。

「わかりやすい投資信託ガイド」(投資信託協会著)

 A4サイズで44ページのうすい本です。本というより冊子でしょうか。でも内容はぎっしり詰まっています。これがなんと送料含めて無料で送ってもらえます。

 証券会社や銀行など各金融機関が作る初心者向けの投資信託情報は、リターンばかり強調してリスクの記載がなかったり(少なかったり)、「分配金利回り」などという珍妙な指標を持ちだして、さも確実に利益が積み上がっていくかのような誤解を与えたり、金融機関にとって利幅が大きい特定商品ばかりをプッシュしたりと、個人投資家側から見ると、あまりお行儀がよくないケースが多々あります(すべてとは言いませんが)。

 しかし、この冊子は投資信託協会という協会が作成しています。投資信託協会は、主に投資信託委託会社等を会員とする金融商品取引法上の自主規制機関であり、投資者の保護を図るとともに、投資信託・投資法人の健全な発展に資することを目的として設立された協会です。

 その協会が作成した冊子「わかりやすい投資信託ガイド」は、特定の商品を売らんがためのものではないため、中立的な情報がまとめられています。

 無料の情報というと、あやしいと思われるかたがいらっしゃるかもしれません。それは、「健全な懐疑心」であり大切なことなのですが、この冊子には当てはまらないかもしれません。

 表紙はいかにも公的機関刊行物チックですが、大事なのは内容です。「良質な情報源」と言える内容になっていると思います。イメージ的には、「わかりやすい」というタイトルからはちょっと違い、むしろ、詳細にわたりモレなくガッチリ説明されている「手堅いテキスト」という感じです。

 例えば、投資信託の費用については、信託報酬と並んで、(ほとんどの投資本がスルーしている)監査人報酬や売買委託手数料など、いわゆる「隠れコスト」(2013年3月22日のコラム参照)がしっかりと併記されており、詳しい人から見ると「おお、詳しいけど細かい!」という感じだと思います。

 また、投資信託の換金方法について、買取請求と解約請求の違いを説明していたりします。昔は課税上の取り扱いが違いましたが、現在は同じになっています。でも、今でも証券会社の売買画面には「買取」と「解約」の選択肢があり、投資家から見ると「なにこれ?」という悩みどころのひとつですが、そういうものまでしっかりと説明されています。やはり、「おお、詳しいけど細かい!」という感じです。

 中立的な情報を嘘なくモレなく、となるとこうなるのでしょうね。一語一句隙がないので、実は私自身、ブログやコラムを執筆する際にはよく参照しています。

 繰り返しになりますが、この冊子は、投資信託協会に申し込めば無料でもらえます。しかも、不動産上場投資信託(REIT)についてまとめられた「REITガイド」も付いてきます。(テレビショッピングのセールストークみたいでいささか不本意ですが……笑)

 いずれも、2013年の7月にリニューアルしたばかりのようです。以下から申し込めます。

社団法人投資信託協会 ガイドブックプレゼント」(http://www.toushin.or.jp/guidebook/

 余談ですが、実はこの冊子、昨年2012年8月10日にお台場で行われた、初心者向け投資イベント「真夏のインデックス投資ナイト」の企画段階で、実行委員をしていた私から「お客さん全員に配布してあげたら、イベントに出てきた投資用語の復習ができていいのでは?」と提案したことがあります。

 このアイディアは実行委員会で採用されたのですが、結局、冊子を取り寄せる段階になって、有料イベントでの配布目的だと冊子が有償になるということが判明し、10名限定のプレゼントになった経緯があります。

 個人投資家自身からの申し込みであれば無料なので、ご興味があれば取り寄せてみてはいかがでしょうか。

水瀬ケンイチ
1973年東京都生まれ。都内IT企業勤務。
インデックス投資ブログ「梅屋敷商店街のランダム・ウォーカー(インデックス投資実践記)」を執筆、人気を博す。日本経済新聞やマネー誌などに数多く取り上げられる。著書に『ほったらかし投資術インデックス運用実践ガイド』(朝日新書)。 
(写真はTwitter @minasekのアイコン)

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